世界的なアイドルグループBTSのグローバルファンクラブARMY（アーミー）が、メンバーのシュガ（本名：ミン・ユンギ、31歳）の電動スクーター飲酒運転事件をきっかけに激しい分裂の様相を見せています。多くの国内ファンは「シュガがBTSの名誉を汚した」として脱退を求める一方、海外のファンは「韓国のファンの対応が理解できない。シュガも過ちを犯すことがある」と擁護しています。2013年のデビュー以来、BTSを世界のトップに押し上げてきた堅固なファンダムが、K（Korea・韓国）ARMYとI（International・国際）ARMYに分裂している状況です。
最近、ソウル龍山区にあるBTSの所属事務所HYBEの社屋前には、シュガの脱退を求める弔花が30個ほど並びました。リボンには「私たちの手を離したのはあなたよ」「最近のニュースが社会面で知れ渡ったね」などの文言が書かれていました。シュガが住む高級マンションの前では、「ファンに堂々と顔を上げろと言っていたのに、帰ってきたのは飲酒運転」「血中アルコール濃度キャリアハイ0.227％」などの字幕が表示された電光掲示板トラックの抗議も続いています。
Kアーミーは、かつて10代のアイドルだったBTSメンバーのシュガが飲酒運転をしたという事実そのものを許せないと語っています。あるファンは「これは私たちが望んでいたBTSの姿ではない」とし、「シュガは私たちが流してきた血と汗、涙を裏切った」と非難しました。シュガとHYBEが飲酒運転事件を収拾する過程で、電動スクーターを「キックボード」と表現したり、「ビールを一杯だけ飲んだ」と警察に供述したが、実際には酩酊状態の数値が出たこと、家の前に駐車しようとして事故を起こしたという最初の供述と違って、歩道走行中に転倒した点などについても、国内ファンは「私たちを騙そうとしたのか」と憤りを見せています。
しかし、Iアーミーは韓国内の世論がシュガに対してあまりにも厳しすぎると不満を漏らしています。27日、ソーシャルメディア「X（旧Twitter）」にシュガのソウル龍山署への出頭映像が掲載されると、英語、中国語、スペイン語、アラビア語、ロシア語などで書かれた抗議コメントが200件以上寄せられました。「映像を今すぐ削除しろ」「この映像は警察署の外で不法に撮影されたものだ」といった反応でした。
ある海外ファンは「これまで積み上げてきた韓国に対する好感が、ここ数週間で崩れてしまった」とし、「BTSを通じて韓国文化の美しい面を見ていたが、シュガを非難する韓国のネットユーザーたちからは1000倍も醜い面を見た」と語りました。BTSメンバーという理由だけでシュガが過剰な魔女狩りに遭ったという意見もありました。また、別の海外ファンは「韓国メディアは1週間でシュガに関する記事を1400本も出したが、飲酒運転をした野球選手の記事は非常に少ない」と述べました。
一部の海外ファンは韓国製品不買運動まで展開しています。あるファンは「夫と来年の夏に韓国旅行に行く予定だったが、今回の騒動で韓国への信頼を失った」とし、日本へ行くことにしたと語りました。「こんなふうにBTSを扱う韓国には行きたくない」という意見もありました。
BTSがこれまで韓国社会で適切に評価されていなかったという海外ファンの指摘もあります。彼らは「プロゲーマー、サッカー選手、オリンピック選手には兵役免除をしているのに、韓国を広く知らせたBTSは入隊させた」とし、「どの国でもその国の最高のアーティストをこんなふうに扱うことはないだろう」と述べました。IアーミーはXやInstagramなどソーシャルメディアで「#KoreanPoliceCorrupt（韓国警察は腐敗している）」といったハッシュタグ運動も展開中です。
両者の対立は単なる意見の衝突を超え、お互いへの非難合戦にまで発展しています。一部の国内ファンは海外ファンに対し、「外キ（外ファン＋ゴキブリ）」という蔑称を使って「韓国の法律も知らないのにこれを魔女狩りだと言わないでほしい」「韓国では飲酒運転は予備殺人と同じだ」と批判しました。海外ファンは自分たちがKアーミーとは別のIアーミーだと主張し、「韓国にはアーミーはもういない。残っているのはアンチだけだ」「私たちはKアーミーのように性急ではない」と述べています。
専門家は、BTSのファンダム分裂がこれまで急速に拡大してきたK-POP産業の影の一面であると分析しています。キム・ホンシク大衆文化評論家は「韓国では芸能人など有名人の飲酒運転に対する道徳的基準が高まっているが、発展途上国などにも広く分布している各国のBTSファンにはこのような状況が理解できない」とし、「それだけBTSのファンダムが世界的に広く形成されていることを示している」と述べました。ソウル龍山署は27日、「シュガに対する被疑者調査がほぼ終了したので、近く事件を検察に送致する」としました。
オリジナル写真出典：News1
写真、記事出典：朝鮮日報（韓国）