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『イカゲーム』シーズン2(脚本・演出:ファン・ドンヒョク)は、前作の成功と期待を背負いながらも、賛否両論を巻き起こしています。壮大な世界観と強烈なテーマ性を引き継ぎつつも、次作への橋渡し的要素が強く、完成度には疑問符がつきました。

再びゲームへ…シーズン2のあらすじ

前作で賞金456億ウォンを手にしたものの、ゲームで失った友人や仲間たちへの思いを断ち切れないソン・ギフン(イ・ジョンジェ)。彼は恐ろしいデスゲームを止めることを決意し、ゲームを統括するフロントマン(イ・ビョンホン)を追います。その手がかりを得るために、2年間ソウルの地下鉄を探し回り、ついに参加者募集担当の「タクチナム」(コン・ユ)を見つけ出します。

しかし、フロントマンとの対面を果たしたギフンは、彼の策略にはまり再びゲームに引き戻されます。仲間を救いゲームを止めようと奮闘するギフンですが、巨額の賞金に目がくらんだ参加者たちはギフンの呼びかけを拒否し、混乱を巻き起こします。一方、フロントマンは偽名でゲームに潜入し、ギフンの計画を密かに探ります。

シーズン2の課題と限界

① 完成度の低いシナリオ
シーズン2は「次シーズンへの布石」という印象が強く、物語の一貫性やキャラクターの魅力が薄れてしまいました。新たなゲームも前作ほどの衝撃や斬新さがなく、全体的に物足りない印象を与えます。

② 主題性の希薄化
前作が資本主義社会の闇や、極限状態での人間の選択を鮮烈に描いたのに対し、シーズン2はテーマの継承が中途半端です。作品の存在そのものが、シリーズの持つ社会批判のメッセージを矛盾させています。

③ キャラクターの弱さ
新たに登場したキャラクターの多くが前作のチョ・サンウ(パク・ヘス)やチャン・ドクス(ホ・ソンテ)ほどの印象を残せず、物語を牽引する役割が不十分でした。ただし、特戦隊員出身のトランスジェンダー「チョ・ヒョンジュ」(パク・ソンフン)は、社会問題を反映しつつも意義深い役割を果たしました。

光る演出と埋もれる可能性

シーズン2の評価ポイントとして、新たなゲームを通じた緊張感の演出や、「仲間との信頼」が崩壊する様子を描いた「ペアゲーム」の展開が挙げられます。一方で、キャスティングが予想可能な展開を助長し、参加者間の投票システムも進行の遅さや繰り返し感を増幅しました。

商業性に埋もれたメッセージ

前作が「極限化した資本主義社会」の暗部を鋭く風刺したのに対し、シーズン2は「ブランドとしての成功」に重点を置いた印象が否めません。作品の持つテーマ性は薄れ、純粋な商業的目的が前面に出た結果、社会批判の説得力を失っています。

シーズン3に向けた期待と懸念

とはいえ、シーズン3の展開次第でシーズン2が再評価される可能性は残されています。ギフンが自身の矛盾を乗り越え、フロントマンとの対決がどのように展開するのかが次作の鍵となるでしょう。シリーズ全体としての完成度を高めるためには、今後の展開にかかっているといえます。

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記事出典:OhmyNews(韓国)

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